基地問題を報道しないという基地問題 / ネトウヨのデマやヘイトは、むしろ「真実に対する忌避反応」であり、彼らは「そもそも真実を受け入れたくない」のだ。

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沖縄に関するデマをつくりあげ、ヘイトをのせて拡散する者たちがいる。ネトウヨデマを産経が記事にし、そんなデマ記事で陸上自衛隊まで担がれていくような事態 (産経・米兵日本人救出デマ) まで起こっているのに、

 

日本政府はあきれかえるほどの鉄面皮でヘイトやフェイクニュースに取り組まない。

 

ヘイトスピーチ規制「強化不要」日本政府、国連に報告書

日本政府、国連

毎日新聞

ジュネーブ共同】日本政府が11月に行われる国連人権理事会の対日人権審査に向け提出した報告書で、ヘイトスピーチへの規制強化について「日本でそれほどの人種差別の扇動が行われている状況とは考えていない」として、不必要との認識を示している。国連人権高等弁務官事務所が報告書を公表した。

 報告書は、昨年6月にヘイトスピーチ対策法を施行し、在日コリアンらへの「差別的言動をなくすよう基本理念と施策を定めた」と説明した。しかし対策法には禁止規定や罰則がなく、人権団体などは不十分だと批判、11月の審査では各国から是正を求める意見が出る可能性がある。

 

それどころか、名護市長選にも見られるように、自民党公明党の議員らが、ネトウヨとコラボする形でデマを流ししていくことが常態化している。

 

産経だけではない、ヤフーや楽天やドコモなどのポータルサイトが沖縄デマヘイトを日本中のすみずみに拡散する。

 

それは人々の意識にしたたり落ち、沈殿し、気がつけばラジオやテレビまでがお笑いを装いながらヘイトデマを垂れながす。

 

ただ一つの目的のためだ。

基地を沖縄に押しつけるため。

 

以下に紹介するのは、三年前のインタヴューだが、

ネトウヨをしっかりと言いあてた良記事である。

 

野村教授はこう語る。

 

デマやヘイトは理性や理論の問題でもない。むしろ「真実に対する忌避反応」であり、彼らは「そもそも真実を受け入れたくない」のだ。

 

ヘイトは、ヘイターの「存在的不安」を反映している。内的な不安は、真実に向き合うことにより解消されるが、自身がその真実に向き合うことができないので、さらに自己の心理的な不安が高まり、過激なヘイトに依存するようになる。

 

本土のメディアも基地問題を「沖縄の問題」としてしかとらえていない。なぜなのか。

 

野村教授はこう語る。

 

安保の現場は、首相官邸防衛省や東京ではない。沖縄だ。沖縄を報じないということは、安保を報じないという事だ。74%もの在日米軍基地を沖縄に強制的に集中させた結果、安保に起因する問題の大多数が沖縄で発生せざるをえなくなっている。ところが、この基本中の基本を大手全国メディアはまったく理解していない。

 

そうして「基地問題を報道しないという基地問題」が蔓延することとなった。

 

本土では「沖縄問題」はどう伝わり、どう伝えられているのか ― 広島修道大の野村教授に聞く

沖縄タイムス+プラス

2015年5月26日

 

 沖縄の基地問題は本土側のメディアでどう位置づけられ、読者はどのように受け止めているのだろうか。基地問題が中央でも大きく取り上げられ、沖縄の新聞記事が大手ニュースサイトにも載るようになった。理性的な意見も寄せられるが、読むに耐えないようなコメントも多く散見される。これはどういう心理によるものなのか。沖縄出身で広島修道大学で教授を務める野村浩也氏(社会学)に聞いた。

 

 

―沖縄の基地問題の県外での報道のされ方、市民のとらえ方をどう見ていますか。

 

 野村 元外務省主任分析官の佐藤優さんが全国紙幹部のこのような発言を紹介しています。客観的にみて、日本政府は沖縄に植民地政策を取っている。沖縄が自己決定権を要求するのは当然の流れだ。辺野古の新基地建設は県民の受忍の限度を超えている。しかし、この種の話に日本人読者は生理的に忌避反応を覚える。何とか大多数の読者に受け入れられる言葉を見つけたい(「佐藤優のウチナー評論〈366〉」『琉球新報』2015年1月31日)


 つまり、「読者が求めていないので基地問題はあまり報道しない」ということでしょう。読者の多くも、沖縄報道の重要性を認識していないといえるでしょう。要するに、県外でまともに報道されることがないというのが県外での報道のされ方です。多くの記者も市民もニュース性がないと思っていると言っても過言ではないでしょう。

 

  ―2004年8月に沖国大にヘリが墜落したときも、五輪報道などに比べ全国紙やテレビニュースの扱いは大きくなかったですね。

 

  野村 沖縄では「ヘリ墜落」の号外が出ましたが、実は東京でも号外が出ていたのです。号外といっても「ナベツネ辞任」でしたが。日本のマスコミにとって、プロ野球球団のスキャンダルの方にニュース性があって、沖縄の学生の生死にかかわる事件はニュース性がなかったわけです。ただし問題は、市民にとって、はたして本当にニュース性がないのかということです。また、注意すべきは、前出の幹部が「この種の話に日本人読者は生理的に忌避反応を覚える」と述べている点です。そして、「大多数の読者に受け入れられる言葉を見つけたい」に関しても、本当に「言葉」の問題なのかどうか。いずれも再検討すべき重大な問題だと思います。

 

  ―沖縄地元2紙の記事が中央のニュースサイトに掲載されると、本筋とは関係ないヘイト・スピーチにも似たコメントや書き込みが散見されます。この現象についてどうお考えでしょうか。

 

 野村 まず言えるのは、沖縄地元2紙が真実を報道している証拠だということです。大手サイトでたまにしか真実が報道されないと、真実の重さに耐えられない読者が出てきてもおかしくないからです。

 

 真実は、うれしいことや楽しいことばかりではありません。なかには、不都合なことや否定したいことだってあります。つまり、真実に向き合うのは時に苦しく不快なのです。読者自身の不都合な真実に迫る記事であればなおさらです。そういう記事に「日本人読者は生理的に忌避反応を覚える」からヘイト・スピーチにも手を出すのです。

 

 この反応に対しては、どんなに「読者に受け入れられる言葉を見つけたい」と頑張っても無駄です 。言葉ではなく、真実に対する忌避反応だからです。そもそも真実を受け入れたくないのです。

 

 沖縄地元2紙の在日米軍基地報道に対するヘイト・スピーチ的言動は、大手新聞やテレビ番組にすら散見されます。それは、日本人の不都合な真実だからです。不都合な真実と向き合うのは苦しく不快であるがゆえに、手っ取り早く否認しようとするのです。この現象を理論化したのがジークムント・フロイトです。

 

  ―「日本人の不都合な真実」とは、具体的にはどういうことでしょうか?

 

 野村 沖縄人に基地を押しつけているということです。ヘイト・スピーチ的言動をするのも、この真実と向き合うことができないからです。真実と向き合うのが苦しいからです。


 ところで、さっきの全国紙幹部のいう「生理的忌避反応」は、フロイトの概念では、社会的心理的反応としての防衛機制に該当します。防衛機制はおおまかに五つに分類されます。「投射」「退行」「抑圧」「昇華」「合理化」です。

 

 ヘイト・スピーチの特徴のひとつは、その罵声で相手を沈黙させようとすることです。つまり、「黙れ!」と言っているわけです。これに該当するのが「抑圧」という防衛機制です。不都合な真実と向き合うのが苦しいがゆえに、真実そのものを消し去ってしまおうとするのです。その意味で、ヘイト・スピーチも防衛機制の一事例と考えることができます。  

 

 そして、真実と向き合う苦しみを説明する概念が存在論的不安」です。防衛機制に逃げ込むのも存在論的不安に陥っているからです。そうやって無意識的に束の間の安心を手に入れようとするのです。「無意識」とは、フロイトによると、「自分が自分をだますプロセス」のことです。意識していたらそもそもだましは成立しません。そして、自分が自分をだます具体的な方法が防衛機制です。


 ですから、ヘイト・スピーチ的言動をする人の多くが、自分の言動をヘイト・スピーチと思っていないわけです。ただし、存在論的不安から真に解放されるためには、真実を受け入れる以外に方法はありません。真実を受け入れることができず、防衛機制に逃げ込んでいるかぎり、必ず存在論的不安に逆戻りすることになります。ヘイト・スピーチを繰り返すほかないという悪循環に陥ってしまうのです。

 

  ―そもそも政府の意見に反論したり、政策を批判したりするなど権力の監視は報道機関の重要な役割の一つですが、それに「反日」「非国民」などのレッテルを張り、攻撃してくるような状況があります。

 

 野村 マス・メディアが「反日」「非国民」という言葉を使って同業他社を攻撃するならメディアの自殺行為と言うほかありません。その言葉が第2次大戦前に報道の自由を破壊した呪いの言葉だからです。ヘイト・スピーチの原形とも言えるでしょう。

 

 大手サイトの書き込みを含む沖縄2紙に対する攻撃についても、実は防衛機制概念で説明することができます。具体的には「投射」という防衛機制です。これはインターネット上の国語辞典にも掲載されている有名な概念なので引用しておきましょう。


 「自分の感情や性質を無意識のうちに他人に移しかえる心の働き。例えば他人に敵意を抱いている時,逆に相手が自分を憎んでいると思い込むなど」(『スーパー大辞林』)

 

 要するに、責任転嫁です。よく考えてみると、もし仮に「反日」や「非国民」と呼ばれるべき人がいるとするならば、それは日本人しかいません。74%もの在日米軍基地を沖縄人に押しつけて、安保の負担から逃れているからです。その点、沖縄人の方がよっぽど「愛国」的かもしれません。この不都合な真実が意識に上ってこないように、沖縄人に責任転嫁するのです。そのための具体的な方法が、沖縄人の方に逆に「反日」「非国民」と罵声を浴びせることです。これが投射という防衛機制です。そうやって存在論的不安から逃れようとするわけです。

 

―メディア側が政権の意向を忖度し、報道や発言を自制しているのではという指摘もあります。

 

 野村 ジャーナリズムの責務は権力の監視です。政権の意向を忖度するなんて、自殺行為であると同時に、国民の知る権利に敵対する行為であり、意識しているかどうかにかかわらず、読者に対する裏切りです。世界のジャーナリズムの基準からすると、安倍政権になってからの日本のメディア状況の異常さは「ファシズム前夜」と言っても過言ではありません。政権を忖度する一部マス・メディアは、もはや権力監視機関とは言えません。政府の広報機関と考えるべきでしょう。したがって、他の報道機関が監視しなければなりません。


 実際、政府と一体かのように「辺野古が唯一の選択肢」を検証せずに繰り返すマス・メディアが存在します。では、なぜ彼/彼女らは、まるで思考停止したかのように他の選択肢を考えようとしないのでしょうか。これには、ジョージ・バーナード・ショーの説明が参考になります。

 

 「ポールに金を払うためにピーターから金を奪う政府は、常にポールの支持を当てにできる」

 

 これは、国民の一部を犠牲にして成立する政治システムのことを言っています。日本国政府は、「ピーターから金を奪う」かのごとく、国民人口の1%にすぎない沖縄人に約74%もの在日米軍基地負担を押しつけて安全を奪っています。「ポールに金を払うために」と同様に、日本人に安全を提供するために沖縄人から安全を奪っているのです。

 

つまり、人口の99%を占める日本人は、前に述べたように、沖縄人を犠牲にして日米安保の負担から逃れているのです。こうして、ショーの言う政府が「常にポールの支持を当てにできる」ように、日本国政府は、常に日本人の支持を当てにできるのです。この日本人には、当然、マスコミ人も含まれますから、政府を支持することがマスコミ人自身の利益にもなるわけです。


 ここで強調しておきたいのは、「ピーター」にとっての権力はけっして政府だけではないということです。社会学的には、「ポール」もまた権力以外の何ものでもありません。すなわち、一般の日本人も、沖縄人に対する権力なのです。したがって、沖縄2紙は、政府のみならず日本のマスコミに対する監視を通して日本人をも監視する必要があります。けっして忖度してはなりません。

 

 ―十分な勉強や検証もせずに、ヘイト・スピーチ的な書き込みを鵜呑みにする人がいます。沖縄県内の大学生でさえそういう現象が起きていると聞きます。

 

 野村 もちろん、ヘイト・スピーチ的な書き込みも権力であり、当然、監視の対象です。その分析も権力監視の方法ですし、分析結果を定期的に紙面やHPで公開し、政府政策の是非と併せて議論を喚起すべきです。


 また、そういった書き込みを鵜呑みにする大学生がいること自体も、分析を必要とする構造的な問題です。新聞だけの責任ではありませんし、嘆いてばかりでは問題解決も望めません。そもそも在日米軍基地問題日米安保の情報は、高校までの教科書にはほとんど出てきません。ですから、授業でもなかなか取り上げられません。つまり、学校教育の構造上、高校まででは学べないと言っても過言ではないのです。沖縄も例外ではありません。事実上教員の個人的努力に委ねられており、構造的な限界があるからです。それに、テレビとネットだけの情報環境では安保や基地問題はけっしてわかりません。沖縄に生まれて住んでいる人であろうとも、沖縄の新聞を読まないかぎり、基地問題を十分に理解することはできないのです。

メディア・リテラシー教育の必要性

したがって、ネット情報を鵜呑みにする沖縄の大学生がいるのも何ら不思議なことではありません。ただし、せっかく大学に進学したのですから、学生はこれから勉強すればよいのです。

 

 その点、大学教員の責任は重大です。沖縄の大学教員は、授業を通して沖縄の新聞を読む習慣を学生に身につけさせなければなりません。そうしないと、十分な勉強や検証もせずにネットの書き込みを鵜呑みする傾向に対処できません。

 

 ―こうした現象はすべてインターネットの普及以降に顕在化してきたと思われます。誰もが意見を発信でき、誰でもメディアになれる時代に、沖縄問題の報道の在り方はどうあるべきとお考えでしょうか。

 

 野村 インターネットの普及はデマや偽情報の発信も容易にしました。これは重大な変化です。なぜなら、正確な報道の価値がより高まったことを意味するからです。このことと直接関連する問題を、先ほど紹介した佐藤優さんの論考から引用します。


 「(全国紙の記者は)東京の官邸、防衛省、外務省を回れば辺野古の記事ができると思っている」(「佐藤優のウチナー評論〈366〉」『琉球新報』2015年1月31日) 安保は首相官邸防衛省や外務省で起きているのではありません。沖縄で起きているのです。安保の現場は東京ではありません。沖縄です。74%もの在日米軍基地を沖縄に強制的に集中させた結果、安保に起因する問題の大多数が沖縄で発生せざるをえなくなっているからです。ところが、この基本中の基本を大手全国メディアはまったく理解していません。


 安保の現場を知らずして安保を語ることはできません。したがって、沖縄を知らずして安保を語ることはできません。にもかかわらず、大手全国メディアは、沖縄をまともに取材しようとしません。新聞社もテレビ局も通信社もごくわずかな記者しか沖縄に配置していません。その結果、日本のマス・メディアにどんなに目を凝らしても日米安保について満足に知ることができない状況となっています。

 

 日本の新聞やテレビを見ても日米安保はわかりません。日米安保を深く理解しようと思えば、世界的にみても、沖縄の新聞2紙を読む以外に方法はありません。その意味で、日米安保をもっともよく理解しているのは沖縄の新聞2紙の記者であり読者です。たとえ地球の裏側にいようとも。 

 

つまり、米軍基地問題は、けっして「沖縄の基地問題」ではないのです。「日本の基地問題」です。それは、「日米安保の問題」だからであり、「安保の現場の問題」だからです。

 

「沖縄問題」ではなく、「日本問題」なのです。地方の問題ではなく、全国の問題です。けっしてローカルニュースではなく全国ニュースであって、首相官邸防衛省以上に毎日報道しなければならないニュースです。


 ところが、全国メディアの報道人自身が一地方の問題かのごとく錯覚しているから、安保の現場たる沖縄をまともに取材したためしがありません。安保の現場を取材しなければ安保の報道は不可能です。安保を報道しなければ、権力を監視することもできません。つまり、沖縄を取材しないかぎり、安保の正確な報道もできなければ、日本国政府の安保政策を監視することもできません。したがって、安保に関するかぎり、大手マス・メディアは、報道機関の責務を果たしていないと言わざるをえません。


 安保の現場をろく取材してこなかった結果、「もうひとつの安保問題」を引き起しているのが日本のマスコミだといえるでしょう。つまり、安保の実質的な報道をしないという問題です。いいかえれば、「基地問題を報道しないという基地問題です。これは、マス・メディア自身が作り出した新たな基地問題であり、「もうひとつの基地問題」です。

 

 ―沖縄の未来図を描くとき、基地をどうするかは不可欠な議論だと思われます。一方で、少なくとも若い世代には、基地問題を友人との会話でも話すことの「怖さ」があるようです。オープンに議論するための方策はあるでしょうか。

 

 沖縄のみならず日本の未来図を描くときに不可欠なのが基地の県外移設を議論し、広く報道することです。今ではすっかり沖縄の多数意見となった感のある基地県外移設論についても、かつては話すことの「怖さ」が強烈にありました。沖縄においてすら圧倒的少数派だったし、日本人からも沖縄人からも攻撃されてきたからです。

 

 そんな県外移設論が、今や沖縄県知事の選挙公約にまでなったのです。それは、多くの沖縄人が県外移設を主張し続けてきた結果です。主張することによって、怖さを克服したのです。しかも、基地関連交付金、軍用地主や基地従業員といった基地で収入を得ている人々が厳然と存在し、基地問題を友人との会話で話すことにさえ怖さやためらいがあったにもかかわらず、それを克服して強くなったのです。


 そういった沖縄人ひとりひとりの努力が、鳩山元首相に「最低でも県外移設」と言わせ、オスプレイ強行配備に「建白書」をもって「オール沖縄」で立ち上がることを可能にし、辺野古新基地建設に反対する沖縄県知事、名護市長、衆議院議員を生み出したのです。

 

 さらに、最近の「知事・首相会談」および「知事・官房長官会談」における翁長雄志沖縄県知事の希代の名演説も、県外移設の主張を通じて強くなったすべての沖縄人の努力が原動力になったと言っても過言ではありません。この経験は、それこそオープンな議論を通じて、若い世代に伝えるべき沖縄人の財産です。

 

 

logmi.jp

 

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