沖縄 Q&A 03 米軍統治下における沖縄の状況とは ?

沖縄 Q&A Book 

第一章 沖縄と米軍基地の歴史的側面

( 3 ) 米軍統治下における沖縄の状況とは ?

 

戦後すぐの昭和20年 (1945) から昭和24年(1949年)までの5年近く、本土では戦後の復興政策が図られる中、沖縄はほとんど放置状態で「忘れられた島」と言われました。これは、アメリカの軍部と政府側の調整に時間がかかり、明確な統治政策が図られなかったためです。


その後、昭和24年(1949年)5月にアメリカ政府は沖縄の分離統治の方針を決め、昭和25年 (1950) 2月に総司令部 (GHQ) が沖縄に恒久的基地を建設するという声明を発表し、沖縄の分離統治を決定しました。この時から米軍による沖縄の基地化が進んでいきました。


昭和27年 (1952) にサンフランシスコ講和条約により日本は独立国としての主権を回復しますが、その代償として、沖縄は日本本土から分断され、米国の施政権下に置かれました。沖縄には日本国憲法の適用もなく、国会議員を送ることもできませんでした。

 

一方、経済においては、基地建設を進める上で本土への支払いがアメリカに有利になるよう強いドルの政策
が取られていました。実態に合わない強いドルの影響で、沖縄では製造業が育たず、基地基盤の輸入型経済という環境を強いられました。

 

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また、米軍の施政権下におかれた沖縄は、27年間もの間、日本政府から十分な支援を受けることができませんでした。

 

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その結果として、昭和47年 1972に本土に復帰した時の沖縄は、道路、港湾、学校、病院、住宅など社会資本のあらゆるものが不足していた状況でした。

 

そこで復帰以降、沖縄が持つこのような特殊事情を踏まえ、格差の是正、沖縄の自立的発展の基礎条件の整備等を目的として、3次にわたる沖縄振興開発計画及び沖縄振興計画の実施により沖縄の振興が図られてきました。