沖縄の基地は、
もともとはどんな土地だったの !?
米軍基地を理解するため
まず、知っておきたい三つのこと。
2017年6月22日 15:21
沖縄の米軍基地の成り立ちで知っておきたいことが3点ある。
知っておきたいポイント ① 強制的に接収された土地
1つ目は強制的に接収された土地ということだ。沖縄の基地は次の3つに分類できる。
( 1 ) 日本軍が建設した基地を米軍が接収
嘉手納基地のように戦前の日本軍の基地を米軍が占領し、さらに拡張したもの
( 2 ) 沖縄戦での収容所時代に米軍によって接収
戦中、もしくは終戦直後、住民が収容所に隔離されている時期に、米軍が土地を奪って造ったもの。普天間飛行場がこれに分類される
( 3 ) 戦後に米軍が強制的に接収した土地
戦後、強制的に土地を接収して造られた基地。
さらに(3)を詳しく説明すると、米軍は1953年4月、「土地収用令」という布令を出し、米軍が必要とすれば地主の同意なしに土地を接収できるようにした。この布令の最初の適用地が真和志村(現那覇市)安謝、天久、銘苅という現在の那覇市新都心地区だ。その後、小禄村(現那覇市)具志(復帰後は自衛隊基地)、伊江村真謝、宜野湾村(現宜野湾市)伊佐でも土地が強制的に接収された。
知っておきたいポイント ➁ 民有地の割合が約四割
知っておきたいことの2つ目は民有地の割合が高いことだ。
県外米軍基地の大半は戦前の日本軍の基地をそのまま使用しているのに対し、沖縄の基地はほとんどが住民が住んでいた場所に造られている。そのため民有地の割合が約4割と高くなっている。
知っておきたいポイント ➂ 戦後、本土から移転された
3つ目は、日本本土の基地反対運動を受け、50~60年代に海兵隊の部隊が次々と日本本土から移転してきたことだ。その結果、在日米軍専用施設の70.6%が沖縄に集中している。
第2章:米軍基地の現状と日米地位協定
( 6 ) 沖縄の軍用地の特徴を教えてください
沖縄県を除く全国の米軍施設・区域では、約87%が国有地ですが、沖縄県では、約23%が国有地、残り約77%が県有地、市町村有地、民有地となっています。
これは、県外の米軍基地の大半が戦前の旧日本軍の基地をそのまま使用しているのに対し、沖縄県では、旧日本軍が使用した区域にとどまらず、沖縄戦後も米軍による公・民有地の強制接収が行われたことが背景にあります。
本土では国有地がほとんど。沖縄県の場合は国有地は少ない、と逆転している。
特に、本県の人口の8割以上が居住している沖縄本島中南部の嘉手納飛行場より南の米軍施設・区域では、民有地が約88%を占めている状況です。
本県の米軍基地は、ただ単に面積が広大であるばかりでなく、その所有形態においても他の都道府県の米軍基地とは経緯を異にしているのが特徴です。
公有地が民有地に比べて極端に少ないため、基地返還跡地におけるまちづくりを円滑に推進するためには、返還前の早い段階から道路や公園等の公共施設用地を確保する必要があります。
このことからも、沖縄の米軍基地問題は整理縮小だけではなく、返還跡地の利用促進
を図る上でも解決しなければならない多くの課題を抱えていることが分かります。