湯水のように浪費される我々の税金
そもそも、国民の知らぬところで税金がどんどん高額兵器に使われていくのは、なぜなんだ。いつからこんなことが可能になったのか。誰のせいなのか。
高額兵器の購入費だけではない。本当に大変なのは、その兵器の年間維持費だ。私たちの税金は、まるで鯉の餌のようにばら撒かれていく。
東京新聞の「税を追う、歯止めなき防衛費」シリーズを再読しておこう。
安倍政権で初めて五兆円を突破し、増大し続ける防衛費。官邸主導で米国から高額兵器を次々と輸入、攻撃型ミサイルの導入計画も進める。聖域化する予算の流れを追い、専守防衛を逸脱するかのように、米軍との一体化を急激に進める政権の内実を報告する。
- (1)かすむ専守防衛 官邸主導で攻撃兵器選定
- (2)コストより日米同盟 覆った偵察機導入中止
- (3)進む日米一体化 軍事戦略の一翼担う
- (4)レーダー商戦 しのぎ削る米メーカー
- (5)貿易赤字解消図る米大統領 「兵器買え」強まる流れ
なぜ兵器の大型購入がまるでところてんのように決まっていくのか。
トランプの機嫌取りで
42機購入予定のF35戦闘機を「十数機」追加購入するとトランプに伝えた安倍総理。
「数十機」ではない、
「十数機」だ。
とてもまっとうな金銭感覚とは思えない。
しかも、その追加数が「20機~33機」といわれていることは、ちゃんと国民に伝えられているのだろうか。
つまり、世界一高価な戦闘機F35を、トランプの一声で62機~75機もお買い上げという事だ。
トランプの一声と、
安倍の気まぐれな思いつきで、
なぜ兵器購入が可能になるのか、考えても奇妙な話だ。
官邸主導の兵器購入 !?
国会はいつの間に「承認機関」に落ちぶれたんだ !?
(1)かすむ専守防衛 官邸主導で攻撃兵器選定
2018年11月13日 朝刊
「いくらか分からないのに、われわれが予算承認しなければならないのはおかしい。国民の税金だということを考えろ」
戦闘機F15に搭載する米国製の「JASSM(ジャズム)」と「LRASM(ロラズム)」は射程が九百キロと長く、日本海から発射しても北朝鮮に到達する。F35に搭載するノルウェー製の「JSM(ジェイエスエム)」の射程は五百キロで、最新鋭のF35はレーダーに映りにくい。
戦闘機から発射される巡航ミサイルJASSMのイメージ図=米ロッキード・マーチン社のHPから
昨年八月の防衛予算の概算要求には入っていなかったが、同年十一月のトランプ米大統領の来日後、与党議員への説明もそこそこに導入が発表され、国防族の怒りを買った。
荒れる国防部会。「予算を簡単にもらえると思うなよ。NSCとの関係はどうなんだ。説明しろ」。不満の矛先は、安倍政権で発足した国家安全保障会議(NSC)にも向けられた。
NSCは二〇一三年十二月、首相、官房長官、外相、防衛相を中心に組織された。翌年一月、実動部隊の国家安全保障局(NSS)が内閣官房に置かれると、防衛省からの積み上げで決まってきた兵器選定の主導権は事実上官邸に移った。
巡航ミサイルは相手ミサイルの射程圏外から攻撃でき、離れてにらみ合うという意味から「スタンド・オフ・ミサイル」とも呼ばれる。防衛省は「離島やイージス艦などを防衛するため」と強調するが、敵基地攻撃が可能なため、これまでの政権は専守防衛の観点から導入に慎重だった。
NSSには防衛、外務、警察の各省庁を中心に約七十人が出向する。元外務次官の谷内(やち)正太郎局長を外務、防衛出身の二人の次長が支える。発足後、兵器調達面でも防衛政策が目に見える形で変化してきた。
本年度四十六億円の研究費がついた「高速滑空弾」や来年度にはエンジンの研究に六十四億円を要求している「極(ごく)超音速ミサイル」は、「いずれも攻撃的兵器と見なされる可能性が高いとして、机上の研究にとどまっていた」。防衛省で航空機開発を担当した元空将の山崎剛美(たかよし)氏はそう話す。
NSSのある幹部は「総理や官邸の話を聞きながら防衛省が出す選択肢を示して、日本の安保や外交政策の中で、どれがいいかを考えていくだけだ」と官邸主導の兵器選定を否定した。だが、防衛省の幹部が内情を明かした。
「総理は『敵にやられっぱなしで、日本が守るしかないでは良くない。攻撃的な技術をやった方がいい』という考えだと周囲は受け止めている。NSSで『総理の意』をくんだ議論を重ね、防衛省に提示させたんだ」
購入額が23%も高騰した無人偵察機グローバルホーク、現場がいらないといってるものを、なぜ買うことになったのか。
(2)コストより日米同盟 覆った偵察機導入中止
防衛省整備計画局が昨年六月に作成した内部文書。GHとは当時、米国から輸入を検討していた無人偵察機グローバルホークを、NSSとは国家安全保障局を指す。文書にはGH導入の経緯と輸入中止を検討する理由が記されている。その上で、防衛大臣ら政務三役とNSS、首相官邸と調整するとなっていた。
米政府の提案を受け、防衛省がGHの導入を決めたのは二〇一四年十一月。価格は三機で五百十億円だったが、米側は昨年四月、価格上昇を防衛省に連絡してきた。レーダー部品が製造中止となり、新たな部品の開発に追加費用が発生したとして、計六百二十九億円と23%も高騰していた。
防衛省には装備品の価格が上昇した際の管理規則があり、価格が15%上昇したら事業の見直しを検討、25%の場合は事業中止を検討することになっている。
整備計画局では、GHは今後も部品枯渇による価格上昇リスクがあると判断した上で代替策を検討。「近年の画像収集衛星の進展をふまえると、より安価な手段で相当程度が代替可能」と結論付けた。「日米同盟に与える影響」も検討の結果、「対処が不可能なものではない」と判断。導入中止の方向で、官邸などと調整するとあった。
昨年七月、整備計画局と防衛装備庁が作成した別の内部文書。「GHの価格の上昇リスクは引き続き存在する」としながらも、「能力はわが国を取り巻く安全保障環境に必要不可欠」として「事業を進めることとしたい」とある。正反対の結論を導いていた。
文書は共産党の小池晃書記局長が入手した。整備計画局の幹部は本紙の取材に「外務省やNSSから『安全保障環境や日米同盟をふまえ、さらに検討を深めてほしい』と打診され、省内でもう一度議論した結果、購入継続を決めた」と回答した。導入中止の方針に外務省やNSSから異論が出て、覆ったことを認めた。
ある欧米系軍事企業の幹部は「GHは米空軍でもコストが問題視されたが、政府はコストより日米安保を踏まえ、米国との関係を重視したのでは」と話す。
実際、米空軍はGHの経費高騰などで、調達計画数を六十三機から四十五機に縮小している。ドイツでは一二年にGHの初号機一機を米から導入したが、コスト増加などを理由に追加購入を中止した。
GH三機の年間の維持整備費は計百二十億円余り。かつて一時間飛ばすのに三百万円かかるという米側の試算もあった。日米同盟の名の下、兵器ローンのツケが国民に重くのしかかる。
イージスアショアは何のためにある !?
2015年の集団的自衛権を含む安全保障関連法の成立以降、自衛隊の戦闘機や護衛艦が米軍機や米艦を警備するケースが増大。
ますます日米軍事一体化が進み、
日本は高額の税金を費やして米国の防波堤となる。
(3)進む日米一体化 軍事戦略の一翼担う
その頃、海の向こうの米連邦議会では、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の日本導入が話題に上っていた。「アジア太平洋に配備されているわれわれのイージス艦の任務を軽減するのではないか…」
議員から日本配備による米国のメリットを問われたハリー・ハリス米太平洋軍司令官(当時)は、質問を途中で遮り断言した。「もちろんだ」。まるで米国のミサイル戦略の一角を日本が担うと言わんばかりだった。
ハリス氏は今年二月の米下院軍事委員会でも日本の地上イージス導入の効果を聞かれ、「私や海軍、太平洋艦隊の負荷の一部を軽減することになるだろう」と明言した。日本国内では今も、「トランプ氏に買わされた」との声がくすぶる。
地上イージスを運用する陸上自衛隊でトップの陸幕長まで務めた冨澤暉(ひかる)氏は、日本で先にミサイル弾道を探知すれば米国は迎撃しやすいと分析。日米一体の運用を見据えた配備とみる。「日本にとってミサイル防衛はあったほうがいいが、米国は日本を守るためだけに売るわけではない」
イージス・アショアが一基800億円から3千億へ !?
あなたがローンを組んでアメ車を買ったとする。
一台800万円のアメ車にしよう。
それがなぜか、
支払い請求書には3千万円だ
三倍以上に値を釣り上げられる。
これはれっきとした詐欺ではないのか !?
米国によると、これは FMS 方式ですよ、という。
そして車を手に入れるのは防衛省
ローンを三倍に組んで支払っているのは、なんと国民なのである。
こんな詐欺商法を承諾することは
納税者である国民を裏切り続けていることなのだ。
(4)レーダー商戦 しのぎ削る米メーカー
九月二十八日、東京都内のホテル。サイバーテロやミサイル防衛(MD)のセミナーが開かれ、国内外の防衛企業の幹部や自衛隊OBら約三十人が出席した。主催したのは旧防衛庁長官や初代防衛相を歴任した久間章生氏が会長を務める一般社団法人・国際平和戦略研究所。久間氏は二〇〇九年の衆院選で落選後、政界を引退したが、日米の防衛分野に広い人脈を持つ。
「これからの戦争はミサイルの時代になってきた」
久間氏のあいさつの後、海上自衛隊OBの坂上芳洋氏が講演した。環太平洋合同演習の際、指揮官としてイージス艦を運用した経験があり、退官後は米軍事メーカー・レイセオンのシニアアドバイザーも務めた。講演のテーマは政府が導入を決めた地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」。坂上氏はシステムに搭載されるレーダーに米ロッキード・マーチン製の「SSR」が選ばれたことに疑問を呈した。
SSRは一基百七十五億円ほどとされるが、坂上氏は「まだ構想段階で、ミサイル射撃試験などをしていない。日本が試験費の負担を強いられ、価格がさらに膨らむ可能性がある」。
会場からは「それは国会が止まるくらいの話だな」という発言も出た。斉藤斗志二(としつぐ)元防衛庁長官だった。
北朝鮮は一六年以降、核や弾道ミサイルの実験を繰り返した。防衛省の幹部は「誰もがミサイル防衛強化が必要と考えていた。官邸は高高度(こうこうど)防衛ミサイル(THAAD)も地上イージスも米国製なので、どちらでも構わないという立場だった」と明かす。
イージス艦にロッキード社製の「SPY-1」を搭載している米海軍が今後、レイセオン製のSPY-6に更新するため、日本の防衛業界でも「レイセオンが有利」とささやかれた。だが今年七月、ロッキード社に軍配が上がり、業界に驚きが広がった。
ロッキード社と関係が深いコンサルタントで、元航空自衛隊空将の山崎剛美(たかよし)氏は「日本製の窒化ガリウム半導体を組み入れるなどして大きさを変えないで性能を向上させた」と勝因を分析する。お膝元の米国で失った商機を日本で取り返した格好だ。
「今回のレーダー選定は単にイージス・アショアのレーダーを決めるというだけではない」。そう指摘するのは元米陸軍大佐で、レイセオンに勤めたことがあるスティーブン・タウン氏。次のレーダー商戦は海上自衛隊のイージス艦だ。
海自は保有する六隻のイージス艦のミサイル防衛能力を向上させながら、二〇年度までに八隻に増やす計画だ。レーダーはロッキードのSPY-1が搭載される予定だが、「近い将来、レーダーの更新が始まっていくだろう」と海自OB。レーダー更新は一基百億円を超す一大ビジネスだ。
訓練で海上配備型迎撃ミサイル(SM3)(右)を発射する海上自衛隊のイージス艦「こんごう」。軍事メーカーはレーダー更新をにらむ=2007年12月、ハワイ沖で(海上自衛隊提供)
今や米国製を中心に高額兵器を次々と導入するようになった日本。世界の軍事メーカーや商社が虎視眈々(たんたん)と商機をうかがう。
西日本豪雨被害の拡大するさなか、
カジノ法案とイージスアショアを推し進めた安倍政権。
武器とカジノ。
安倍政権が戦争と賭博に急接近しているわけとは。
(5)貿易赤字解消図る米大統領 「兵器買え」強まる流れ
「武器」と「カジノ」。
今年の夏以降、訪ねてくる旧知の米国関係者たちから、何度この言葉を聞いたことだろうか。
訪ねてきた人の多くは、知日派の元政権スタッフや元外交官ら。「日本通であることで米国の防衛やカジノの関連企業などに雇われた彼らが、対日工作のため動き回っている構図が、ここに来てくっきり見える」と明かす。
一基で一千億円以上する迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」に象徴されるように、安倍政権は国難を理由に米国製兵器の購入にアクセルを踏む。
右肩上がりで増える日本の防衛費に、米軍需メーカー幹部は「安倍政権になってビジネス環境はよくなった」と手放しで喜ぶ。
通商と安全保障をパッケージにして、兵器を「ディール(取引)」として売り込む。その姿は、さながら武器商人だ。元米海兵隊大佐で、日本戦略研究フォーラムのグラントF・ニューシャム上席研究員は「トランプ氏は、日本が自分の防衛を十分果たさず、米国にただ乗りしていると考えている」と指摘する。
「私は(安倍首相に)『われわれは巨額の赤字は望まない。あなたたちはもっと買わざるを得なくなるだろう』と言った。彼らは今も大量の防衛装備品を買い続けている」。米紙ワシントン・ポストによれば、トランプ氏は九月下旬のニューヨークでの記者会見の際、直前に行われた安倍首相との会談で、そう迫ったことを強調した。
対日貿易赤字の多くを占める自動車は、日本経済を支える基幹産業。トランプ氏が赤字削減のため、日本車の追加関税に手を付ければ、国内経済への打撃は避けられない。
「米国装備品を含め、高性能な装備品を購入することが日本の防衛力強化に重要だ」と応じた安倍首相。大統領の得意のせりふ「バイ・アメリカン」(米国製品を買おう)への抵抗はうかがえない。
「TPP(環太平洋連携協定)交渉で、自動車の輸出と農産物の輸入をてんびんに掛けられている農協の気分だ」。国内の防衛産業は、自分たちの食いぶちを奪われかねないと戦々恐々だ。ある大手メーカー幹部は、自民党の国会議員から「自動車を守るためのバーターとして、米国から高い武器をどんどん買えという流れになっている」と打ち明けられたという。
小切手を切ってくれそうなところに請求書が行くように、増大する日本の防衛費に米国が群がっている。「今や米国にとって日本は草刈り場だ」という寺島氏は、対米交渉に警鐘を鳴らす。
「日本に東アジアの安全保障に対するしっかりした構想がないから、米国に武器を売り込まれる。トランプ政権の期待に応えるだけでは利用されるだけだ」
この国の国民は、
せっせとまじめに働くが
その血税がどのように使われていくのかには、ほとんど関心がない。
軍事とカジノの二大利権が大口をあけて待っている。そこに、我々の税金は、まるで鯉の餌のようにばら撒かれている。
国民の無知と無関心をいいことに、
大型兵器の爆買いにひた走る安倍政権。
投げ捨てられる国民の税金
しかし本当の資金問題は、
購入後の維持費用であると言ってもいい。
買っただけで、「国防」の何かが完了すると思ったら大間違いである。
これについてはまた次に。